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Super Takumer 28mm F3.5

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Super Takumar 28mmは、前期と後期の2タイプあるそうですが、うちにあるのは前期のタイプです。見分け方は簡単で、前期はフィルター径が58mmなのに対して後期は49mmです。いずれにしても1960年代のものですが、奇跡的にスレ傷ひとつないピカピカの新品みたいなのを入手できました。

古いレンズの魅力の一つがその質感だと思います。PentaxのLimitedレンズが金属製のその質感を売りにしていますが、同じような質感を楽しめます。しかし、Super Takumer 28mmなんて、当時は高級でもLimitedでもなんでもなくて、フツーの普及価格帯レンズだったんですよね。それがこの質感を出しているというのは素晴らしいです。しかも、マニュアルレンズなので当たり前ですが、ピントリングの感触もヌメッとした適度なトルクがあって、精密な機械感があります。絞りリングも同様。こちらはカチンカチンと精密な部品同士が動く音がして、こちらもある意味操作する喜びがあります。こういった操作感は、PentaxのLimitedレンズよりも上です。っていうか、最近のレンズでは、こういった感触は楽しめませんね。

写りも、ある意味驚きです。最近のレンズのように、綺麗に解像してシャープさも十分です。ただし、SMCでもない単層コーティングですから、逆光にはめちゃくちゃ弱いです。でも、単に綺麗に解像してシャープで逆光にも強いレンズが欲しいんだったら、最近のレンズを買えば良いわけで、光学的な性能の観点で見たらイマイチなこういったところが、逆に古いレンズの個性となり魅力となっているわけです。このレンズも、逆光だと、壮大なフレアが出ます。また、このレンズは薄い青紫のゴーストも出ます。これらをうまく使って、雰囲気のある写真を撮る事が、こういった古いレンズを使う醍醐味です。ポートレートだと光に包まれた感がわかりやすいのですが、作例は犬でご勘弁を。

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また、28mmという焦点距離も、APS-Cで使う場合には絶妙です。もともとは明らかに広角系のレンズとして生まれてきているはずですが、APS-Cで使うと42mmになり、標準よりちょい広めの非常に使いやすい画角になります。そう、 FA43mm Limitedをフルサイズで使った場合とほぼ同じなのです。普段つけっぱなしレンズの役割を十分に担えます。このレンズを使って、マニュアルフォーカスで、普段の身の回りの生活を、丁寧に写し取っていくって、なんか素敵な感じがします。