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FA 43mm Limited

FA31mmとFA77mmの存在が大きくて、あまり注目されないFA43mm。

 

個人的には超お気に入りです。FA77mmの写真が見た瞬間にすごく良いと感じる一方で、FA43mmは、後から見返してすごく良いじゃんと思うと43mmだったという事がとても多いレンズ。派手じゃないけどじわじわとくる奴ですね。

 

APS-Cで使うと換算64.5mmとなり、中望遠になるため、画角的に中途半端と言われる事が多いです。でも、家で子供達の日常を撮るのには、ちょうど良い距離がとれて、個人的にはとても使いやすいです。21mmや31mm、35mmだと、結構近づいて撮る事になっちゃうんですよね。なので、相手も撮られるぞモードに入っちゃいます。43mmだと、そこまで意識させない、警戒させない、緊張させない距離が保てるんです。

写りは、非常に細い線で綿密に描くようなシャープさ。この辺りはFA Limitedの良さですね。開放では、等倍で見るとそれほど解像してませんが、鑑賞サイズで見れば、シャープな感じを維持する程度の解像はします。F2.8以上に絞れば、等倍で見ても十分なシャープさを発揮します。

収差については、フリンジが出ることはでますが、31mmや77mmと比較するとおとなしい印象。この辺りが、31mmや77mmと比較すると個性と存在感が薄いと言われる所以でしょうか。それでも立体感は十分にでます。

色は、Pentaxのレンズの中ではだいぶさっぱりした色味。でも味気ないわけではない絶妙なところ。さすがフィルム時代の標準レンズとして作られただけあって、使いやすい色です。女性のポートレートを撮ると、非常に綺麗な肌の色が出ます。最近の肌色補正と組み合わせて使うと、嫁さんが喜んでいます。

ただこのレンズも欠点がないわけではありません。まずはボケ。基本的にはFA Limitedらしい綺麗なボケなのですが、背景によっては、ざわざわっとしたボケになるので、ちょっと気を使います。この辺りは31mmの方が綺麗なボケですね。また、絞るとボケが八角形になるのも注意してます。もう一つの欠点は寄れない事。まぁ、それでもアップのポートレートぐらいは十分に撮れるので、それほど大きな問題ではないです。それ以上よりたいときはDA35mm Macro Limitedに付け替えますし。

このレンズ、写りも優秀ですが、小さいところも素晴らしい。カメラに詳しくない大多数の人たちから見ると、F2.8通しのズームレンズなんてつけてると、やる気満々やなぁ、おっ撮るんかいなっ、という目で見られます。FA43mmだと、もっと気軽な雰囲気が出てくるので、より自然な雰囲気で写真を撮る事ができます。 K-01と組み合わせると、完全に相手を油断させる事ができて、すごく自然な写真が撮れたりします。

小さいと持ち運びも楽です。DA21mmとFA43mmだけを持って、スナップ散歩に出るとなんとも贅沢な気分に浸れます。